結論。「最速」を秒数で比べる記事は多いですが、秒数は端末・設定・電波で変わります。この記事では誰が数えても同じになるもの——省けない操作の数、通る画面の数、Obsidianを開く必要があるか——で5経路を比較します。答えを先に言うと、手が空いているなら「自動追記アプリ」(操作2つ・Obsidianを開かない)、手がふさがっているなら「AirPods+Siri」(操作ゼロ・画面ゼロ)が構造上の最短です。録音の書き起こしという別の仕事ならWhisper系が本命です。

「最速」の定義を先に決める — 経路は3つの区間でできている

「Obsidianに音声で挿す」は、分解するとどの経路でも同じ3区間を通ります。

  1. 声を出せる状態になるまで — アプリを開く、ノートを開く、マイクを押す、Siriを呼ぶ……経路差が最も大きい区間
  2. 話す — ここは全経路ほぼ同じ(話す長さは内容次第)
  3. 保管庫のノートに書かれるまで — その場で書かれるか、あとで処理するか、別アプリが裏で追記するか

つまり経路の速さを決めるのは区間1と3です。そして区間1と3の差は、秒数を測らなくても「省けない操作」と「通る画面」を数えれば構造として比較できます。以下の表がこの記事の本体です。

5経路の比較表 — 省けない操作の数で読む

「省けない操作」は、その経路で必ず通る操作だけを数えています(前回開いていたノートの状態などで運が良ければ減る操作は数に入れていません。逆に、話す操作そのものは全経路共通なので数えていません)。

経路省けない操作Obsidianを開く?前提向く場面
① Obsidianモバイル+キーボード音声入力 アプリ起動 → ノートを開く → マイクキー(3操作〜 開く(本体で書く) なし(今すぐ使える) 腰を据えた追記。ノートを見ながら話したいとき
② ショートカット+Obsidian内蔵アクション(1.11+) ショートカット起動 → 音声入力(1操作〜 開かず追記できる ショートカットの組み立て。Obsidianモバイル1.11以降 決まった型の追記を自分で設計したい人
②' ショートカット+obsidian:// URI(旧方式) ショートカット起動 → 音声入力(1操作〜) 必ず前面に開く(URIスキームの構造) ショートカットの組み立て 内蔵アクションが使えない旧環境。文字化け・別保管庫誤爆はこの方式の持病
③ Whisper系プラグイン 録音 → 文字起こし実行 → ノート化(複数操作+処理待ち) 開く プラグイン導入(コミュニティプラグイン有効化) 会議・長い独り言の書き起こし。「挿す」より「起こす」の道具
④ 自動追記アプリ(音声メモ→保管庫) アプリ起動 → 送信タップ(2操作・起動で音声入力が自動開始) 開かない(アプリが保管庫フォルダへ直接追記・プラグイン不要) アプリ導入+保管庫フォルダの指定(初回のみ) 歩行中・家事中の思いつき。デイリーノートに1行ずつ貯める使い方
⑤ AirPods+Siri(④のハンズフリー版) 0操作・0画面(「Hey Siri、シンプルメモで残す」→ 本文を話す) 開かない(iPhoneはポケットのまま。追記は④と同じ仕組み) ④の設定+Siri有効化 両手がふさがっている全場面。運転前・料理中・歩行中

①〜③の詳しい手順とつまずきどころは「Obsidianに音声入力でメモする方法4選」に、②/②'の使い分けとトラブルの切り分けは「ショートカットがObsidianに書けないとき」にまとめてあります。⑤の実践(AirPodsのステム設定・合言葉の言い回し・実機画面)はAirPodsハンズフリー実践ガイドが専用ページです。

表から読めること — 「開かない」経路だけが操作を2つ以下にできる

表を縦に見ると、境界線は「Obsidianを開くかどうか」に引かれています。Obsidianを開く経路(①・②'・③)は、保管庫の読み込みとノートへの到達が区間1に必ず入ります。開かない経路(②・④・⑤)は、書き込みが裏側(ショートカットのアクション、またはアプリのローカルファイル追記)で起こるため、区間1が「入力を始める」だけに縮みます。

④の「起動」について、当サイトが公開している実測値は約0.4秒です(定義: アプリアイコンをタップしてから本文に1文字目を入力できるまで・ウォーム起動・5回の中央値・2026年8月計測。手順と生データは計測方法のページで公開しています)。この数字は④の区間1の実測であって、①〜③⑤の区間1は同じ手順で測っていないため、ここで横並びの秒数比較はしません——だからこの記事は操作数で比べています。

使い分けの結論

  • 思いつきを消さないことが最優先 → ④(画面を1つも経由せず2操作)。手がふさがっていれば⑤(0操作)。残した後の受け皿まで含めた組み立ては即キャプチャワークフローの記事で扱っています
  • ノートを見ながら書き足したい → ①。音声はiOSキーボードのマイクで足りる
  • 自分の型に合わせて自動化したい → ②。1.11以降の内蔵アクションを使う(②'のURI方式は避ける)
  • 録音を文字にしたい → ③。これは「挿す」とは別の仕事で、③が最適
利用実態の実測について(追記予定)。この記事の初版は、構造(操作数・画面数)だけで比較しています。「実際にユーザーはどの入力方法でメモを残しているか」の比率は、内部アカウントを除外した確定集計(対象窓 2026-08-15〜19・新規インストールコホート・初回送信の入力方法・2026-08-27以降に確定)を待って、定義つきでこの位置に追記します。確定前の暫定値は掲載しません。定点の集計は「音声シフト」定点調査ページに、定義の事前公開つきで掲載していきます。

④⑤の中身 — なぜ「開かず追記」ができるのか

④⑤で使っているObsidian連携シンプルメモは、Obsidianの保管庫(Vault)がただのフォルダであることをそのまま使います。アプリがiPhone上でそのフォルダの当日のデイリーノートにローカルのファイル書き込みとして追記するため、プラグインもObsidianの起動も要りません。同じ1行はメールにも届くので、Obsidianを開かない日でも受信箱に残ります。圏外なら送信キューに貯まり、電波復帰後に自動送信されます。仕組みの全体はObsidian連携の解説、デイリーノートまわりの挙動はデイリーノート追記の専用ページにあります。

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